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製品としては、欲しいか欲しくないかって部分ではあまり興味が湧かないのだけど、それをリリースしたことに対しては意味があるのでは、と思うようになってきた。

ニコンが過去のニコンのカメラをリメイクしたみたいな。マスプロダクションの中では中々出来ないことではある。振り返るべき遺産みたいなものを当の本人が提示することにも意味を感じる。

カメラの歴史はもう100年以上ある。それは写真の歴史と同意義でもあり、その殆どはフィルムの歴史でもある。でもこの20年はカメラの歴史は機械とフィルムのものではなくてコンピューターのチップのものになってしまった。そうなってから、自分もカメラという物に思い入れを持ちたくなくなってきた。どうせパソコンの部品みたいなものなんだから、という割り切りが必要だと思うようになってきた。パソコンは好きだけど、それはハッセルが好きとかプラウベルマキナとかディアドルフが好きとかいうのとは意味が違う。
そして最も大事なのは撮影という行為自体であるべきだと考えるようになってきた。ていうかそうでなければいけないと。